飲んだくれモツの読書と酒ブログ

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【書評】嫌われる勇気

こんにちは!モツです!

 

 今日は有名な本『嫌われる勇気』を紹介したいと思います。

 

嫌われる勇気

嫌われる勇気

 

なぜこの本が人気なんだろう。

私は読む前までずっとそう思っていました。

色々な情報が飛び交う時代からだこそ読むべき一冊だなと思います。

 

 では!始めていきましょう!

 

 

概要

内容について

本書は、フロイトユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。

目次

 第1夜 トラウマを否定せよ(知られざる「第三の巨頭」;なぜ「人は変われる」なのか ほか)
第2夜 すべての悩みは対人関係(なぜ自分のことが嫌いなのか;すべての悩みは「対人関係の悩み」である ほか)
第3夜 他者の課題を切り捨てる(承認欲求を否定する;「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない ほか)
第4夜 世界の中心はどこにあるか(個人心理学と全体論;対人関係のゴールは「共同体感覚」 ほか)
第5夜 「いま、ここ」を真剣に生きる(過剰な自意識が、自分にブレーキをかける;自己肯定ではなく、自己受容 ほか)

著者について(「BOOK」データベースより)

岸見一郎(キシミイチロウ)
哲学者。1956年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問

古賀史健(コガフミタケ)
フリーランスライター。1973年生まれ。書籍のライティング(聞き書きスタイルの執筆)を専門とし、ビジネス書やノンフィクションで数多くのベストセラーを手掛ける。インタビュー原稿にも定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

どこがおすすめか?

嫌われる勇気の要約ポイントは以下の3つです。

  1. トラウマは存在しない

  2. 前に踏み出す勇気を持つ

  3. 劣等感は主観的な思い込み

 

1. トラウマは存在しない

アドラーが「経験それ自体」ではなく、「経験に与える意味」によって自らを決定すると語っているところに注目しています。

 

例えば、大きな災害に見舞われたとか、幼い頃に虐待を受けたといった出来事が人格形成に及ぼす影響がゼロだとは言いいません。影響は強くあります。

 

しかし、大切なのはそれによって何かが決定されるわけではないと言うことです。

 

我々は過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定しています。

人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分次第ということです

 

2. 前に踏み出す勇気を持つ

どうして彼女が赤面症になったのか、どうして赤面症が治らないのか、それは彼女自身が赤面と言う症状を必要としているからです。

 

彼女にとって一番恐ろしいことを、一番避けたい事は何だと思いますか?

その彼に振られてしまうことです。失恋によって私の存在や可能性を全て否定されることです。

 

思春期の失恋には、そうした側面が強くありますからね。

ところが赤面症を持っている限り、彼女は「私が彼とお付き合いできないのはこの赤面症があるからだ」と考えることができます。

 

告白の勇気を振り絞らずに済むし、たとえ振られようと自分を納得させることができる。

そして最終的には「もしも赤面症が治ったら私だって…」と可能性の中に生きることができるのです。

じゃあ、具体的にどうすればいいのか?

 

彼女が自分に自信を持てていなかった。このまま告白してもきっと振られるに違いないと考えています。そうなったら自分がますます自信を失い、傷ついてしまう、と言う恐怖心があったからです。

だから赤面症と言う症状を作り出してしまいました。

まずは今の自分を受け入れてもらい、たとえ結果がどうであったとしても前に踏み出す勇気を持ってもらうことです。

 

アドラー心理学ではこうしたアプローチのことを勇気づけ」と呼んでいます。

 

結局、彼女は友達を交えてその男性と遊びに行く機会があり、最終的には彼の方から付き合ってほしいと告白されました。

もちろん彼女が再びこの書斎にやってくる事はなくなりました。

 

3. 劣等感は主観的な思い込み

私が自分の身長に感じていたのはあくまでも他者との比較、つまりは対人関係の中で生まれた主観的な「劣等感」です

 

もしも比べるべき他者が存在しなければ、私は自分の身長が低いなどと思いもしなかったはずです。

 

あなたも今、様々な劣等感を抱えて苦しめられているのでしょう。

しかし、それは客観的な「劣等性」ではなく、主観的な「劣等感」であることを理解してください。

身長のような問題でさえも、主観に還元される。

 

つまり、我々を苦しめる劣等感は「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」によるものなのです。

 

まとめ

本書のタイトルにもなっている「嫌われる勇気」は、ここまで解説してきた通り、進んで嫌われることをしろということではなく、自分のことをよく思わない人がいても、それは自分の課題ではないので、気にしなくいい、ということを示しています。

 

本書ではほかにも、過去の体験が現在の自分に影響を与えているという考え方(いわゆるトラウマ)を否定し、それは自分を変えようとする勇気がないだけであると断言するなど、一見すると、厳しい言葉が並んでいます。

 

しかし、裏を返せば、過去に執着しても現在の自分は変えられないので、今にフォーカスをあてて精一杯生きるべきであるというポジティブなメッセージでもあります。

 

本書は最後まで読んで、初めてアドラーのメッセージの意味が分かるような構成になっています。そのため、厳しいメッセージにも目を背けず、ぜひ最後まで読み進めてみてください。対人関係を考える上でとても参考になる良書だと思います。

 

ありがとうございました!

では!また!