アイラモルトの新生『キルホーマン』
こんにちは!モツです!
今日はアイラモルト第7弾
『キルホーマン』を紹介したいと思います。
キルホーマンは、スコットランド産のシングルモルトウイスキーです。
味わいは実にアイラモルトらしく、極めてピーティー&スモーキーです。
フレッシュなフルーツ感とバニラの甘みが重なり、バランスの良さも際立っています。
また、アイラ島に124年ぶりに設立された蒸留所であることや、今では珍しい「ファームディスティラリー(農場型蒸留所)」としても有名です。
アイラ島で唯一、大麦の栽培から瓶詰めまでのウイスキー作りの全工程を自社で行っています。
キルホーマンとは?
キルホーマンはスコットランドの「ウイスキーの聖地」アイラ島で作られているシングルモルトウイスキーです。
キルホーマンの創立は2005年です。
124年ぶりにアイラ島に新しく誕生した蒸溜所でした。
創業者は現オーナーのアンソニー・ウィリス氏とロックサイド農場のオーナー、マーク・フレンチ氏の2人です。
ウイスキー造りにおいて深い歴史を持つアイラ島で、キルホーマンは近年まで1番若手のフレッシュな蒸溜所でした。
しかし2015年にガートブレック蒸溜所が、2018年にはアードナッホー蒸溜所が設立され、少しずつ先輩の威厳を醸しつつあります。
キルホーマン蒸溜所はアイラ島で唯一、大麦栽培・製麦・糖化・発酵・蒸溜・熟成・瓶詰というウイスキー造りにおける全工程を自社で行える「100%アイラ産」を可能とした蒸溜所でもあります。
その中でも特筆すべきは原料となる大麦の栽培も行なっている「ファーム・ディスティラリー(農業型蒸溜所)」だということです。
手間、管理事項が増え、生産量は必然的に少量となりますが、その分味わいはリッチです!
アイラモルトらしいピート、スモーク感を濃縮した素晴らしいボトルを多くリリースしています。
キルホーマンの製法
キルホーマン蒸留所は、一般的な蒸留所とは異なる非常に特徴的な蒸留所です。
「麦からグラスまで(ファーム・トゥ・グラス)」をモットーとした、こだわり尽くしのウイスキー作りが行われています。
まず、大規模蒸留所が建ち並ぶアイラ島では珍しいマイクロ・ディスティラリー(小規模蒸留所)ということです。
その規模はアイラ島最小で、年間生産量は約9万リットルと、カリラの約660万リットルやラフロイグの約300万リットルと比べるといかにキルホーマンが小規模であるかが分かります。
そして、一番の特徴と言えるのが「ファームディスティラリー(農場型蒸留所)」であることです。
伝統的な生産スタイルにこだわるキルホーマンは、かつて島で一般的であったファームディスティラリーを今の時代に再現しました。
ファームディスティラリーでは、ウイスキーの製造を、原料となる大麦の栽培から行います。
2011年にはボトリングの設備も整い、キルホーマン蒸留所では大麦栽培~蒸留・熟成~瓶詰めというウイスキーの製造の全工程を一貫して行えるようになりました。
これにより「麦からグラスまで」のモットー通りとなり、理想とする「100%アイラ産」のウイスキーの生産を可能としています。
現在、使用する大麦の約25%が自社栽培のもので、あとはポートエレン製麦所から購入したものです。
まだ「自社栽培の大麦100%」とはなっていませんが、アイラ島の大麦だけを使用することにはこだわりを見せています。
また、この自社栽培の大麦に対して伝統的なフロアモルティングを行っている点も特徴の一つで、フロアモルティングは今、100近くあるスコットランドの蒸留所において7カ所でしか行われていません。
少人数の職人たちによって、伝統的で丁寧なウイスキー作りが行われているのがキルホーマン蒸留所です。
キルホーマンの歴史
キルホーマン蒸溜所の歴史はまだ浅く、創立は2005年の12月14日です。
創業者はアンソニー・ウィリス氏とロックサイド農場のオーナー、マーク・フレンチ氏の2人でした。
14〜15世紀に建てられた古いケルト十字のそば、ロックサイド・ファーム(農場)で使われていた建物の一部を改装し蒸溜所を建設しました。
農家のマーク氏が関わっていたのは理由があり、キルホーマン蒸溜所はアイラ産100%にこだわり、ウイスキーの原料となる大麦を栽培しようとしたからです。
それは現在かたちとなり「ファーム・トゥ・グラス」を実現することが出来ました。
2009年に記念すべき「INAUGURAL」ファーストリリース。
その後も質の高いボトルを次々にリリースしています。
2011年にはボトリングの設備を取り入れ大麦作り〜蒸溜〜ボトリングまでの全工程を行えるようになりました。
2015年にマーク氏が引退。その後アンソニー氏が代表を務めています。
マーク氏が大麦を作る農業からも手を引いてしまったため、現在はアンソニーさんが蒸溜所と農家を兼任し多忙な日々を送っています。
キルホーマンのおすすめの種類6選
キルホーマン(KILCHOMAN) マキヤーベイ
2005年に誕生したキルホーマン蒸溜所のアイラウイスキー。
ボトル名の「マキヤーベイ(MACHIR BAY)」は同蒸溜所から半マイルの距離に位置するビーチのことを指しており、有名観光地から名前をとった1本として知られています。
ウイスキーとしてはフェノール値50ppmとヘビーピートの大麦麦芽を使用しているのが特徴となっています。
原酒はバーボン樽で熟成しておりヨード香は強めで、アイラらしい力強さが感じられます。
フレッシュでさっぱりとしたフルーツの味わい、さらにはバニラのような甘さがあるのもポイントです。アイラ独特のピートスモークと相まって余韻が長く楽しめるのも魅力です。
ジャンルとしてはクラフトウイスキーに分類されることもあり、まだまだ歴史は浅いですが今後に期待が高まっている銘柄なので、ぜひチェックしておきましょう。
キルホーマン(KILCHOMAN) サナイグ
「マキヤーベイ」はバーボン樽の個性を前に出していますが、このサナイグは対照的に、オロロソシェリー樽の特徴を活かしたボトルとなります。
サナイグはキルホーマン蒸溜所から北西に位置する小さな入り江の名前。
とても静かな入り江で華やかなサンドビーチ「マキヤーベイ」と対照的な場所であることからこの名前が付けられました。
香りはキャラメル、ベイクドオレンジ、マーマレードの甘さと、どっしりとしたピート&スモーキー。
味わいはトフィー、チョコ、塩キャラメルの濃厚な甘み、オレンジピール、パイナップルの爽やかさ、全体をスモークが包み込むイメージです。
キルホーマン(KILCHOMAN) イノーギュラル (INAUGUAL)
キルホーマン イノーギュラルは、2009年に発売された、ウイスキーファンが待ちに待ったキルホーマンのファーストリリースのボトルです。
「INAUGURAL(イノーギュラル)」とは、就任や就任式といった意味があります。
香りも味わいも典型的なアイラモルトで、ピート香と正露丸に例えられるヨードがかなり強いです。その中に、レモンのフレッシュかつ爽やかな酸味が潜んでいます。
若いウイスキーゆえのアルコールの刺激がありますが、ほんのりとバニラも香り、荒々しくもクリーミーといった複雑さを楽しめます。
キルホーマン(KILCHOMAN) ロッホゴルム
こちらは年に1回リリースされるシェリー樽を使った限定品ボトルです。
キルホーマンでは生産量の8割がバーボンバレルを使って熟成させているため、シェリー樽を使った原酒は希少となります。
オロロソシェリーバットのみを使用した7〜8年熟成の原酒が使われています。
ヘビーピーテッドならではのスモーキー、ヨードに加えシェリー樽からくるドライフルーツやカカオの甘みとほろ苦さが加わったボトルで、香りはピートに加えビターチョコ、ラムレーズンを感じます。
味わいはドライフルーツ、プラム、ビターチョコの甘みとスモーキー&ヨードが鼻孔を抜けます。
後半はシナモン、クローブのスパイシー甘く豊かな余韻が長く続きます。
キルホーマン(KILCHOMAN) ソーテルヌカスク
世界で10,000本のリリースで、日本へは480本の限定入荷のボトルです。
ヘビーピーテッド麦芽を使用し、バーボンバレルで5年間熟成後、大貴腐ワインの一つ、ボルドーのソーテルヌワインの空き樽で5カ月間追熟したボトルです。
アイラ島特有のピートスモークの中に、華やかなパイナップルやシトラスのやや酸のあるアロマが感じられます。
味わいはリンゴのコンポート、シナモン、甘草、塩キャラメル、ナツメグ。
ハチミツの甘やかなフィニッシュを伴い、ゆったりと流れる舌触りを楽しめます。
キルホーマン(KILCHOMAN) ポートカスク
こちらはポルトガル産酒精強化ワインのルビーポートの樽で熟成した原酒を使ったカスクストレングスタイプのボトルです。
短期間のフィニッシュではなく、熟成時間の全てを強化ワイン樽に詰め、寝かせています。
そのためキルホーマンのスモーキーでリッチな味わいに強化ワインならではのフルーツティ、特にベリーが加わり見事に調和しています。
香りはレーズン、ドライベリー、シトラス、力強いピート&スモークです。
味わいはジャム、砂糖漬けのレモンピール、バニラクリーム、などの甘みがメインですがシナモン・クローブのアクセントがあります。
塩気を伴ったキャラメルの甘さにピート・ヨードがゆっくりと溶け込んでいきます。
キルホーマンのおすすめの飲み方は「ストレート」
キルホーマンのおすすめの飲み方はストレートです。
まだ熟成年数の若いウイスキーなので、加水するとややぼんやりとした味になってしまうかもしれません。
まずはストレートで、こだわりにこだわって作られたキルホーマンを心ゆくまでお楽しみ下さい。
まとめ
今日はアイラモルト『キルホーマン』を紹介させていただきました。
キルホーマンというウイスキーについて詳しくなれたのではないでしょうか?
キルホーマンは初蒸留が2005年というまだまだ若いウイスキーでありながら、アイラらしいどっしりとしたピートとほどよい熟成感を堪能できる、非常に完成度の高いシングルモルトです。
果たして、熟成年数を重ねていくとどんな味わいとなるのか、これからが楽しみなウイスキーでもあります。
他のアイラモルトの記事も下に貼っておきますね!
ありがとうございました!
では!また!