アイラモルトらしくない『ブルックラディ』を徹底解説
こんにちは!モツです!
今日はアイラモルト第8弾
『ブルックラディ』を紹介したいと思います。
ブルックラディはスコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーです。
日本では「ブルイックラディ」と呼ぶ方もいます。
アイラ島といえばピーティかつスモーキーで厚みのあるボディ…というのが特徴なのですが、ブルックラディに関してはスモーキーでありながらピートが感じられない「アイラ島らしくない」ウイスキーなんです。
ブルックラディとは?
ブルックラディは、アイラモルト特有の正露丸のような風味や潮の香り、海藻の香りなどが弱く、フローラルでエレガントな風味が特徴です。
アルコール度数は50度とウイスキーにしては高いですが、度数の高さを感じさせない甘くフルーティな風味を感じます。
アイラモルトはピート香やスモーキーでクセが非常に強いシングルモルト多いことで有名ですが、ブルイックラディは全くの逆です。
アイラモルト独特の風味が弱いため、初めてのアイラモルトにピッタリなボトルです。
蒸留所は、アイラ島で最も西に位置する場所にありブルイックラディ蒸留所の対岸には、ボウモア蒸留所があります。
ブルイックラディはゲール語で、「海辺の丘の斜面」という意味になります。
ちなみにブルイックラディは、「ブルックラディ」とも呼びます。
これは、BRUICHLADDICHの最初の「I」を発音しないためです。
ブルックラディ蒸溜所では「ブルックラディ」という銘柄だけでなく
- ポートシャーロット
- オクトモア
という2種類のブランドも生産しており、それぞれ異なる個性を放っています。
ブルックラディの製法
ブルックラディは「テロワール」を大切にした製造が行われています。
“テロワール”とはワインにおける用語で、その土地の風土や気候によってもたらされるブドウの個性、熟成における個性のことを指します。
土地の風土や気候、環境や文化が、お酒に個性をもたらすというのはウイスキーにおいても同様で、ブルックラディ蒸溜所のマスターディスティラーであるジム・マッキュワン氏はこの“テロワール”の概念をウイスキーに当て込みその土地に根付いた、そこでしか作れないウイスキーを作ろうと考えたのです。
ブルックラディはアイラ島で造られるウイスキーですから、アイラ島で生まれた産物を大切に作る、というコンセプトを打ち出しました。
そのためブルックラディのボトルには原料となる大麦を作った契約農家の名前が記されています。
ブルックラディでは食品の安全を確保するため、栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にする「トレイサビリティ」を可能としています。
原料となる大麦はアイラ島で作られたものをメインに使用しています。
アイラ島ではここ100年ほど大麦が作られていませんでしたが、ジム・マッキュワン氏が地元の農家に掛け合い、大麦を作ってもらうよう説得したのです。
2005年、はじめは2軒しかなかった契約農家も現在は19軒に増え、ブルックラディで使われる麦芽の4割(18年は5割以上)をアイラ・オークニー諸島産のもので占めるようになりました。
製麦も島内のインバネス製麦所にて行われています。
水はオクトモア農場の湧き水を使用。アントルムという小さなダムから水を引いており、仕込みやボトリング、蒸溜所内の清掃に使用しています。
またブルックラディではコンピューターや自動機器を一切使用せず、人の手でウイスキー原酒が造られている点にもこだわりが感じられます。
蒸溜所は1995〜2001年の間閉鎖していますが、使われているマッシュタンやポットスチルは閉鎖前から設置されていたものを使用しています。
元々設置されていた伝統ある備品を大切に使用するところに、先人への愛と敬意が感じられます。
これもテロワールの一環なのでしょう。
熟成に使われる樽はバーボン樽がメインですがアメリカンオークの新樽や古樽などを使うこともあります。
ブルックラディでは約76,000丁の樽を保管(すべてアイラ島内)しており、その種類は200種に上ります。
今後はすべてアイラ島で熟成できるよう熟成庫の増設計画が進んでいるようです。
ブルックラディの歴史
ブルックラディの歴史は非常に深く、創立は138年前の1881年まで遡ります。
創立者はハーヴェイ家の兄妹。彼らは他にもグレーン蒸溜所を2件所有しており、ブルックラディは当時最新鋭の蒸溜所としてオープンしました。
1886年になるとブルックラディ・ディスティラリー・カンパニーを設立し蒸溜所内を改築します。
それから世界大戦による経営悪化のため1929〜1936年生産停止。
その後複数回によるオーナー入れ替えを経て1975年にスチルを4基に増設しますが、渾身の設備投資も虚しく1994年にはついに蒸溜所閉鎖へ追い込まれてしまいます。
2001年にワイン商のマーク・レイニヤーとビジネスパートナーであるサイモン・コーリンが買収します。
その後、現在のマスターディスティラー、ジム・マッキュワン氏により蒸溜所復活の事業計画が成され、急ピッチで再建されました。
2012年の10月からは生産が再開されます。
2012年にはレミーコアントロー社に買収されますが、製法や蒸溜所としての方針は最大限に尊重され、現在もレミー社の傘下でありながら昔ながらのこだわり抜いた製法でウイスキー造りをしています。
ブルックラディのおすすめの種類5選
ブルックラディ(BRUICHLADDICH) ザ・クラシックラディ
【包装不可】 ブルックラディ(ブルィックラディ ブルイックラディ) ザ クラシック ラディ(スコティッシュ バーレイの名前 ラベルが変わりました。) 50度 箱付 700ml 正規 価格:4,675円 |
ブルックラディのスタンダードともいえるべきボトル。
以前はスコティッシュ バーレイというボトル名前で販売されていましたがボトル名・ラベルが変わりました。
ブルックラディ蒸溜所で、良質な原材料を使用して造られたアイラウイスキーです。スコットランドで収穫された有機大麦を100%使用しています。
ピートが使用されておらず、クリーミーな飲み心地が特徴となっています。
スタイリッシュなデザインの青いボトルも魅力で、贈り物やプレゼントとしても人気です。
すっきりとした味わいなので、アイラウイスキーのクセが苦手な方でも飲みやすいのが魅力です。
健康的な原材料にこだわっている方にもおすすめです。
ブルックラディ(BRUICHLADDICH) アイラ・バーレイ2011
【包装不可】 ブルックラディ(ブルィックラディ ブルイックラディ) アイラ バーレイ 2011 50度 箱付 700ml 正規 価格:6,027円 |
ブルックラディ アイラ・バーレイ2011で使用されている大麦は、アイラ島にある6軒の農家が育てた大麦のみを使用しています。
香りは、フローラルでフルーティな香りが印象的です。リンゴや西洋ナシのフレッシュでフルーティな香りの後に、バニラや穀物の芳醇な香り、潮の香りを感じます。
口に含むと、クリーミーで柔らかい口あたりでリッチな気分になります。大麦の甘みやブラックペッパーの刺激、バニラやココナッツの甘いフレーバー。
スタンダードボトルよりも味わいが濃く、まろやかな口あたりです。
アイラ島の大麦のみを使用した、大麦由来の甘みやフレーバーをお楽しみください。
ブルックラディ(BRUICHLADDICH) オーガニック2009
価格:10,450円 |
2009年に蒸溜し、バーボンやテネシーウイスキーに使用したアメリカンオーク樽で8年熟成させたボトルです。
香りはバニラビーンズ、そしてオレンジピールやレモンピールのフレッシュなビター。
味わいは甘さがメインで香ばしさと力強いモルト感を堪能できます。
柑橘系の香りとタルトのようなクリーミーな一面も感じられる複雑な味わいのボトルになっています。
ブルックラディ(BRUICHLADDICH) ベア・バーレイ2008
ブルックラディ ベア バーレイ 2010 正規品 50度 700ml【ブルイックラディ】 価格:9,980円 |
ブルイックラディ ベアバーレイ2008は、古代種の麦芽品種「ベア・バーレイ」を使用したノンピートタイプのシングルモルトです。
この「ベア・バーレイ」麦芽は、生産が難しいため一部のみで栽培されている貴重な品種です。
他の品種に比べたら、フルーティでどっしりとくる麦芽香が特徴です。
香りは、酸味のある麦芽の香り、リンゴや西洋ナシのようなフルーティな香り。ノンピートタイプではありますが、微かにピートも感じます。
味わいは、青リンゴや西洋ナシのフルーティな味わい、オイリーで微かに塩気があり、大麦由来のリッチで優しい甘みです。
貴重な麦芽を使ったどっしり味わえるボトルです。
ブルックラディ(BRUICHLADDICH) ブラックアート1994
価格:39,578円 |
ブルックラディ ブラックアートは、ブルックラディ蒸留所のヘッドディスティラリーが特別に厳選した原酒を組み合わせてボトリングしています。
商品名の1994には特別な意味があり、それはブルックラディ蒸留所が閉鎖となった年です。
蒸留所は閉鎖となったものの原酒は貯蔵庫の中で眠り続け、今日まで蒸留所を守り続けてきたボトルです。
香りは、クルミやカスタードプリン、レーズン、グレープフルーツの重厚でフルーティな香りの後に、ウッディでスパイシーな香りが続きます。
口に含むと、力強い重厚感やとろみを感じます。
味わいは、厳選した樽由来の風味、ココナッツやキャラメルの濃厚な甘み、オレンジの酸味、ドライな味わいを感じます。
風味は複雑ではありますが、25年間熟成の濃厚な味わいを楽しめます。
ブルックラディのおすすめの飲み方は「ストレート」
ブルックラディは、ストレートもしくはロックスタイルでの飲み方がおすすめです。
ブルックラディは、アイラモルトでありながらピート香やスモーキー感が非常に弱く、エレガントでフローラルな風味を感じます。
ストレートで飲むと、バニラやナッツの甘み、麦芽由来の芳醇な甘みやアルコール由来の香りを感じます。微かにスモーキさを感じますが、かなり弱いです。
ロックスタイルで飲むと、スモーキーな風味を抑えることができ、ライムや青リンゴといった果物のフルーティな風味を楽しめます。
どちらの飲み方でもアイラモルト特有のスモーキーな印象はないため、ウイスキー初心者向けです。
まとめ
今日は『ブルックラディ』を紹介しさせていただきました。
少しは詳しくなれたでしょうか?
ブルックラディは、アイラ島で生産されているシングルモルトウイスキーです。
アイラモルトらしくないフローラルでエレガントな風味は、アイラモルトの入門にピッタリなアイラモルトです。
ありがとうございました!
では!また!